【個展】目に映るものの正体を疑え〜多田圭佑「エデンの東」@MAHO KUBOTA GALLERY

多田圭佑さんの個展「エデンの東」に伺ってきました。会場は「MAHO KUBOTA GALLERY」です。

「MAHO KUBOTA GALLERY」

初日の早めにお伺いしましたが、既に複数作品に赤丸シール。根強い固定ファンが付いているようです。
展示は大きく分けて2つのシリーズ作品、「残欠の絵画」と「trace/wood」です。

展示風景

左:「残欠の絵画」シリーズ 右」「trace/wood」シリーズ

「残欠の絵画」

「残欠の絵画」シリーズは作品のマチエールをひび割れたり剥離させることによって、ヨーロッパの古典絵画のような古い風合いを表現していますが、多田圭佑さんのテーマである「目に映るものの正体を疑え」を意識しながら鑑賞していても上手いなぁ・・・と感心してしまいます。

下の写真は作品の一部分を接写したものですが、お見事な完成度ですね。ディテールの素晴らしさ!

剥離部分とひび割れの様子 ※拡大写真

赤丸シール(売約済み)もこちらの「残欠の絵画」シリーズが多く、支持されている人気作品であることが分かります。出品されている新作の「残欠の絵画」シリーズは本を積み重ねたり、並んでいるような作品がほとんどでした。

「trace/wood」

「trace/wood」のシリーズは、木材を張り合わせて作った支持体にガラスや金属の破片をランダムに配置し、その間を絵具の色彩がつないでいるような、ペインティングに見えます。
しかし、実際にはモデリングペーストやアクリル絵具等、絵画を成立させるマテリアルのみで制作されている、純粋なペインティング作品なんです。凄いですよね、これまた騙し討ちに遭った感じの作品です。

木にしか見えませんが、絵の具だけで制作されています。

そして、こちらのマチエールも非常にゾワゾワする感覚が自分にやってきて、しばし鑑賞する時間が止まったように作品と向き合う事が出来ました。

概要

多田圭佑
エデンの東
会場:MAHO KUBOTA GALLERY
会期:2018年11月21日(水)〜12月22 日(土)
時間:12:00-7:00pm  ※日・月および祝日は休廊
入場無料