【生誕110年展】大きな美術館で鑑賞する醍醐味〜「東山魁夷展」@国立新美術館

生誕110年 東山魁夷展

戦後を代表する国民的日本画家、東山魁夷の生誕110年を記念する展覧会が東京で開催されました。
東京で開催される大規模な企画展としては東京国立近代美術館以来10年ぶりとなります。

今回のトピックスとしては、「唐招提寺御影堂の障壁画」を特別に再現しているという点です。
かなり大きなスペースを割いて展示されていました。

会場は国立新美術館の企画展示室「2E」です。

展覧会は「6章」で構成されています。各章ごとに追ってみたいと思います。

1章 国民的風景画家

なんと言っても東山魁夷さんの持ち味は風景画です。特に傑作の誉れ高い《道》も展示されています。

左奥が《山かげ》・《木霊》 右:《道》

《道》

左:《白夜行》 右:《フィヨルド》

2章 北欧を描く

《冬華》

 

3章 古都を描く・京都

《花明り》は構図が面白くて好きな絵画です。マジメな感じが構図に現れているようで、好感度の高い作品です。

《花明り》

小品は意外に良くて一つ一つが東山さんらしく描かれていました。
京洛四季の連作は逸品揃いでした。

《京洛四季スケッチ》

《京洛四季習作》

4章 古都を描く・ドイツ、オーストリア

海外を描いた作品は建物をモチーフに採用した作品で、この場所だけ少し空気が変化しているようでした。

左:《丘の上のローテンブルク》 右:《窓》

左:《古都遠望》右:晩鐘

 

5章 唐招提寺御影堂障壁画

本展の大きな位置を占めるのが《唐招提寺御影堂障壁画》の完全再現です。

御影堂平面図

襖は68面あり、横に繋げると83mにも及ぶ作品。かなり大きなスペースを使った展示です。
東山魁夷が63歳の時の作品だそうです。

《濤声》

《黄山暁雲》

《山雲》

《桂林月宵》

6章 心を写す風景画

締めとなる6章は風景画です。
絶筆となった1999年の作品まで後期の作品が並んでいます。

第6章ゾーンをパノラマ撮影

《白い朝》《春兆》《霧氷の譜》

磨き上げられたクオリティ感を味わいつつエンディングを迎えます。

物販コーナー:図録は2000円です。

まとめ

大きな国立新美術館で見る東山魁夷さんの大作は迫力があって、空間で優雅にそびえ立っているようでした。
どの作品も上品で優しくて温かいオーラに包まれていてゆったりとした時間が流れていました。

残念だったのはほとんどの作品がアクリルで額装されているので、生々しい絵筆の動きが感じ取るのには距離を感じました(筆者個人の感想です)。作品の息遣いを味わうのがお好きな方には少し物足りない感じもありそうです。

10年ぶりに開催された東京での大規模企画展です。
これを見逃すと10年間見られませんのでお見逃しなく!

概要

会 期:2018年10月24日(水)~12月3日(月)
毎週火曜日休館
開館時間:10:00~18:00
※毎週金・土曜日は 20:00まで
※入場は閉館の30分前まで
会 場:国立新美術館 企画展示室2E
〒106-8558東京都港区六本木7-22-2
主 催:国立新美術館、日本経済新聞社、テレビ東京、BSテレビ東京
特別協賛:大和証券グループ
協 賛:大和ハウス工業、凸版印刷、トヨタ自動車、パナソニック、三井物産
特別協力:唐招提寺
協 力:長野県信濃美術館 東山魁夷館