Contemporary Cityscapes vol.2
現代都市風景を様々な表現方法で展示する企画「Contemporary Cityscapes 」。
シリーズ2回目となる企画を開催している六本木ヒルズのA/Dギャラリーにお伺いしてきました。
伊藤航
紙を使って精巧な立体作品を作る作家さん。
この作品も他のグループ展でお見かけすることが多いですね。
猪瀬直哉
猪瀬直哉さんは1点のみの出品。
直近で作品を鑑賞したのがアートフェア東京のサテライト企画でアーツ千代田3331でした。DOMANI展でも出品されていましたね。
景観を描かせたら、いま最も上手い作家のお一人ではないでしょうか。環境問題に触れながら、現実的な風景と緊張感のある未来を描いています。静謐で何をか言わんとするような雰囲気を発する作品がとても味わい深くて、ずっと見ていたくなる作品です。
12号で50万ですから、一時より価格が上がっているような気がします。手が出せなくなる前にコレクションしたくなる作家さんです。
大村雪乃
最近色んなグループ展でお見かけするのが大村雪乃さん。2017年の首都高展でも拝見しましたし、直近では「大Ah!!rt展」が印象的でした。丸シールで描くという特徴的な作家さんゆえに声が沢山掛かっているのでょうか。
坂本睦美
坂本睦美さんの作品は紙の上にペンで描いていく細密画です。こちらに向かってくるような迫力がありました。
田島大介
4mの巨大な作品を描かれたのが田島大介さん。高層ビルが乱立する、日常では考えられない風景を描いています。サイズも圧巻ですが、作品の前でじっと鑑賞していると、向こう側で実際に動いている都市活動を空想したりして不思議な感覚に襲われました。
照井譲
照井譲さんは最も印象に残った作家さんです。照井さんの作品も以前拝見したことがありましたが、作品の制作裏話を伺って興味を持ちました。
作品表面の整理された配列を見て、機械的に作られた印象に映りますが、実際には手作業で丁寧に作られた作品です。
支持体に小さな鏡面を貼り、その上から紫外線で固まる樹脂を注射器を使って一つ一つ半円状に落としていく技法です。目を凝らして見ると、一つ一つの小さなドットに鏡面に反射した自分の姿が映っていることが分かります。
一方、カウンターに置かれた小作品は、鏡面の代わりに偏光フィルムが使用され、鑑賞者の見る角度によって色が変化していきます。驚くほど色が変化していく様子が楽しいです。
盛圭太
紙に糸を留めていきながら作品化する手法の作家さん。連続した線を見ると、手間が掛かりそうな工程を感じます。
山口英紀
超絶技巧的な作品は山口英紀さん。セピア色にプリントしたモノクロ写真のようで、ボケ感の出し方など秀逸です。水墨で描かれた都市の風景は、精巧だけど温かみがあって、動きのある風景画を作り出していました。
まとめ
どの作家さんも実力派の作家さんで、見応えのある作品でした。猪瀬さんの作品をもっと沢山見たかったので少々物足りなかった気持ちもありますが、いつのテーマ設定でここまでの作品が集まりとピリッとして良い緊張感が生まれますね。次回の開催があればまた違った作家さんの作品を見てみたいと思いました。
概要
Contemporary Cityscapes vol.2
会期 2018年8月31日~9月24日
会場 六本木ヒルズ A/D ギャラリー
住所 東京都港区六本木6-10-1 六本木ヒルズウェストウォーク3F
電話 03-6406-6875
開館時間 12:00~20:00
休館日 無休 ※9月11日のみクローズ
観覧料 無料
出品作家:伊藤航 / 猪瀬直哉 / 大村雪乃 / 坂本睦美 / 田島大介 / 照井譲 / 盛圭太 /山口英紀