アートオークションの下見
アートのオークションが盛り上がっている?という話を聞き、オークションの開催前日タイミングで会場となる「シンワアートオークション」(銀座)に行って参りました。
私も最近知ったのですが、美術作品のオークションは「下見」という作品を事前に確認出来る会が開催され、出品される作品を間近に見ることが出来るのです。そして、その下見はなんと「無料」で見ることが出来るのです。
変な美術館に行くよりも数多くの名作が入場料無料で、しかも間近に見ることが出来るのです。これはメチャお得なお話しですね。
直接会場に行かなくても、オンラインで閲覧が可能です。PC経由でカタログを見ながら「この絵が3000万もするのか!」というリアルな相場を感じることが可能です。
シンワアートオークション
会場の「シンワアートオークション」は新橋駅から徒歩5分程度の分かりやすい場所にあり、アクセスしやすいロケーションです。自動ドアから入ると、外からも見える絵画の数々が間近に登場します。受付で身分証明書などを提示する必要も無く、百貨店やショッピングモールに入るような気軽さで入場出来ます。
しかし、ひとたびその空間に身を入れると、錚々たる芸術品がずらっと並び、引き締まった重厚な空気に背筋がピンとなります。
作家名や作品のクレジットには、想定落札額(Estimate)が記載されています。安いモノでは5万円ほどから、上を見れば果てしない金額の数字に笑いが出てしまうほどです。
通常の美術館ではあり得ない、現実の「売買金額」が記載されていることで、作品を楽しむことと同時に、その作品の金額を見ることが出来る楽しさがあります。この作品がこんなに?という感想は、高い作品でも低い作品でもそれぞれあります。「これ、安くない?」って言う作品も意外に多くて、会社員でもボーナスで購入出来る価格です。
人気のロッカクアヤコさん、300〜500万円という想定価格です。既に凄い人気アーティストなのですね。これが数年後1億になれば借金してでも買おうか悩みます(笑。
一方で、ギャラリストやキュレーターが頭を捻りながら考える作品の展示順や展示方法など、全体の展示設計は全く考慮されていないようで、作家が違う作品がバラバラに並んでいるだけの空間でした。この場所では一球入魂、全ては作品単位で完結するのですね。
作品をまとめてみせるテーブルもあり、自分で手袋をはめて手に取るようなオペレーションです。
国立新美術館の個展が好評の安藤忠雄さん直筆メモも出品されていました。
草間彌生
ビッグアーティスト「草間彌生」さんの作品は金額的にも展示的にも特に大きく目立っておりました。版画は60万〜80万と比較的安価でしたが、これで隙を見せてしまったか、次の作品では腰が抜けました。
下写真の作品はドローイングです。ひたすらに白いペインティングが規則性を持ってキャンバスを一面に白くしています。
近づいて良くみてると、金額が「7000万円〜1億円」と表示されています。なんじゃこりゃー!?
この作品にどういった芸術性や作品の味があるのか分かりませんが、少なくとも私にはその価値が分かりませんでした・・・。これ買う人ってどんなのでしょう?
まとめ
アートオークションの下見は、色々な作家や作品との出会いが無料で開かれ、接触していなかった作家さんとの出会いに加え、有名アーティストの高額作品が無料で観られる機会と、大変お得な場所でした。
それから、草間弥生さんの1億円作品の影では、意外に手の出る範囲の作品もひっそりと紛れ込んでいて、現実感も面白かったです。「う〜む、これ欲しいかも!」という作品も幾つかあって、弱小アートコレクターとしての居場所も用意されていました。
アートオークションはこの会社以外にも幾つかあって、定期的に開催されています。アートラバーな皆さまにおかれましては、是非一度足を運んで頂きたいと思います。