岡﨑乾二郎「而今而後 ジコンジゴ」東京都現代美術館
日本を代表する造形作家・岡﨑乾二郎さんの集大成的な展覧会「而今而後 ジコンジゴ」を東京都現代美術館で鑑賞しました。

岡﨑乾二郎さんは、日本の現代美術のなかでもユニークな位置に立つ作家であり、造形・理論・教育・批評のすべてを横断する稀有な存在です。
本展は、その広範な実践の集大成でありながら、「回顧」ではなく、未来へと開かれた創造の現在形を体験できる展示です。
1階 | 2020年までの仕事
1階フロアの展示は、岡﨑乾二郎さんの造形と絵画の初期から現在への発展をたどるゾーンとして、様々な作品が時系列順に展示構成されていました。
洋服の型紙(ドイツ雑誌『burda』)に着想を得た造形が紹介され、人体の線を立体に転写する岡﨑さんのユニークな造形思考が実感できます







2階 | interlude
2階フロアでは、2021年の脳梗塞入院中に描かれた絵画や、それに関連する作品が展示されていました。

作品《頭のうえを何かが》は、岡﨑乾二郎さんが2021年に脳梗塞で倒れた直後から、入院中、リハビリの途上で描かれたドローイングです。発症から約1ヶ月後、ようやく右手に麻痺からの動きが戻り始めたタイミングで、差し入れられた太い色鉛筆を握って描きはじめたそうで、時間の経過と共に作品が変化していく様子が印象的でした。
3階 | 2022年からの仕事
3階フロアでは、新作・近作が中心に展開されていました。
ここでは、岡﨑乾二郎さんが大きな病を経て迎えた創作の転機以降の表現世界が、極めて密度高く提示されていました。とにかく作品数に圧倒されます。





写真のように、従来より一段とスケールアップした巨大な立体作品が数多く展示されていました。粘土原型を高精細スキャンし拡大複製されたこれらは、圧倒的な存在感を放っていました。



さいごに、館内のミュージアムショップ「NADiff contemporary」脇には、小規模ながらも趣向が凝らされた展示スペースが設けられていました。

概要
展覧会名|岡﨑乾二郎 而今而後 ジコンジゴ Time Unfolding Here
会 期|2025年4月29日(火・祝) -7月21日(月・祝)
開館時間|10:00-18:00(展示室入場は閉館の30分前まで)
休館日|月曜日(5月5日、7月21日は開館)、5月7日
会 場|東京都現代美術館 企画展示室 1F/3F
観覧料|一般2,000円/大学生・専門学校生・65 歳以上1,400円/中高生800円 小学生以下無料
主 催|東京都現代美術館(公益財団法人東京都歴史文化財団)
問 合 せ|03-5245-4111(代表)
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