【個展】フェルナンド・ボテロ「A Universal Master」Palau Martorell

フェルナンド・ボテロ「A Universal Master」

コロンビア人の作家フェルナンド・ボテロ(Fernando Botero)の大規模個展「A Universal Master」に伺いました。会場はバルセロナのPalau Martorell。

Palau Martorell外観

本展で展示されるボテロの作品は、油彩画、彫刻、水彩、サンギーヌ、木炭画、鉛筆画といった多様なメディウムが展開されています。110点以上の作品が会場となったPalau Martorellの3フロアの展示室で展示されています。その多くは個人コレクションから貸与されており、これまで一般公開されたことのない作品も多数含まれます。

展示風景

展覧会は10のテーマ別セクションで構成され、ボテロの芸術世界を多面的に紹介しています。西洋美術の名画への再解釈、ラテンアメリカ文化の描写、宗教的探究、静物画の研究などが含まれるほか、彼が取り組んだ社会的・政治的主題──コロンビアの暴力やアブグレイブ刑務所での拷問など──にも深く迫る内容となっています。

会場風景
会場風景

本展のハイライトのひとつが《La Menina, According to Velázquez》です。

《La Menina, According to Velázquez》油彩、198 × 160 cm

この作品は長年パリのボテロのアトリエに保管されていたもので、今回が初公開となる作品です。

《La Menina, According to Velázquez》部分

また、40年以上にわたって非公開だった貴重な作品《Homenaje a Mantegna》も、本展のために特別に展示されていました。

会場風景より〜右《Homenaje a Mantegna》

ボテロが現代美術において尊敬される存在である理由は、そのスタイルだけにとどまりません。

彼は「芸術は喜びを呼び起こすべきものだ」と語っていた一方で、作品を社会的メッセージの媒体として用いることも厭いませんでした。暴力や人間の苦悩を描いたシリーズは、美的な美しさと深い政治性を融合させた稀有な例として高く評価されています。また、彼はとりわけ母国コロンビアにおいて多くの作品を寄贈しており、自身の芸術と影響力に対する誠実な姿勢を体現しています。

 

概要

フェルナンド・ボテロ「A Universal Master」

会場:Palau Martorell(バルセロナ)
会期:2025年2月14日~ 2025年7月20日
時間:毎日 10:00 ~ 20:00(入場は19:00まで)
料金:一般:16 €、割引:14 €(学生、シニア、失業者、ヤングカード所持者など)子ども(6~12歳):9 €
キュレーション: Lina Botero and Cristina Carrillo de Albornoz

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