DM(ダイレクトメール)
2020年はコロナ禍で大幅なも沢山のDMを頂きました。
DM:展覧会の開催告知媒体、ダイレクトメールの略称。
2018年からまとめた記事DMオブ・ザ・イヤーですが、意外や反響が多くて今年も書くことにしました。
本記事は、告知ツールを超える独特の存在感を発揮したDMに贈るアワードで、2020年に出会った素晴らしいDMをご紹介する、という企画です。
この1年間、目にとまったDMを専用のボックスに保管して、選りすぐりのDMを振り返ってみました。
※本サイト編集長による独断と偏見企画です。
弊サイトへのDM送付はこちらまでお問い合わせ下さい。
2020年 ベストDM
2020年に開催された展覧会の中で筆者が手にしたDMは、コロナ禍で例年よりも少なく、特筆すべきものがそれほどありませんでした。マスクそのものをDMとして使ったり、印刷技法や形状にこだわりを感じるものはたくさんありましたが、今回は1点のみ取り上げたいと思います。
風間サチコ「セメントセメタリー」
2020年の2〜3月に無人島プロダクションで開催された風間サチコさんの個展「セメントセメタリー」。
1枚刷りの版画作品で有名な作家です。
版画でありながらユニーク作品として発表する風間サチコさんらしく、個展のテーマにならうように1枚1枚のDMが一部をセメントで塗り固めた仕上げで作られています
セメントは比較的崩れやすい強度で出来ているようで、ビニールのパッケージで封されています。
作品の一部として成立するような、存在感あるDMです。
2020年 ベストDM<番外編>
ロッカクアヤコ展 トレーディングカード
もうひとつ選んだのは、千葉県立美術館で開催されたロッカクアヤコ作品展「魔法の手(Magic Hand)」の宣材です。
トレーディングカードのような形態として展示予定の作品写真が3枚1組で封入されており、無料で配布されたものです。
筆者が手にしたのは、2020年9月に開催されたアートフェア「art TNZ」のGALLERY TARGETブースでした。
DMという形態ではありませんですが、広告宣伝的な意味合いが濃く、展覧会の宣伝として制作されたものです。
ロッカクアヤコさんならではの取組も含んでおり、番外編的扱いとして選びました。
また、意図したものではないにせよ、メルカリなどのフリマアプリに流出することで、WEBプロモーション的な機能を果たしていました。※カードが封入されていた袋には、展覧会名や会場、開催期間が印刷されておりました。
おわりに
作家やギャラリーが考え抜いたDMは、情報発信だけに機能するだけでなく、展覧会後にも楽しめるようなコレクション性を持っていると考えます。
終了後の個展DMを見ながら、会場の展示風景が蘇ってくることもあります。簡易なフォトフレームに額装してみても面白いですし、ひっつき虫などでそのまま壁に貼ることでも楽しめると思います。
2021年は、コロナが少しでも収束し、沢山の展覧会が開催される年でありますように・・・。
あっと驚く素敵なDMを楽しみにしたいと思います。