【SICF21】独自の技法「獏嵌」で描く〜清川漠に注目!

SICF

SICF(Spiral Independent Creators Festival)は、表参道の複合文化施設スパイラルが若手クリエーターの発掘・支援を目的に2000年にスタートした公募展形式のアートイベントです。

21回目となった今回のSICF21は、公募によって選出された、さまざまなジャンルのクリエイターが85組が一堂に会し、立体・インスタレーション、絵画、メディアアート、ファッション、パフォーマンスやそれら既存のジャンルに捕われない作品のプレゼンテーションを行ないました。

SICF(Spiral Independent Creators Festival)21

清川漠

SICF21では、B日程のブース「11」に出展していた清川漠(Baku Kiyokawa)さんに注目しました。

B日程「11」ブースに出展〜清川獏

清川漠さんの制作は「獏嵌(ばくがん)」と呼ばれる技法によって描かれています。
「獏嵌」は、アクリル板の裏側から「彫り」によって削られた溝にアクリル絵具で彩色されています。
勢いやスピード感を意識した制作を行っているそうです。

展示風景

女子美を卒業された清川獏さんは、絵画、彫刻、版画と広く学び、それらを融合させた作品の製作技法を編み出しました。
また、モチーフの中心となる盆栽は、彫刻的に取り扱われる象徴として選んでいるそうです。

清川漠《BONSAI》2020年 420×297×2mm 素材: アクリル板、アクリル絵の具

清川漠《BONSAI》2020年 420×297×2mm 素材: アクリル板、アクリル絵の具

作品のイメージは、一見してデジタル処理されたように見えますが、作品の裏側から見るとその製作技法の一部が確認出来ます。

作品を裏返しにした状態から撮影〜絵具の跡がはっきり見えました。

上記作品を表面より撮影

展示風景

最近では、抽象作品にも力を入れているそうです。
掛け軸を想起させるサイズの2作品が展示されていました。

左:清川漠《雨飛》2020年 400×1450×43mm アクリル板、アクリル絵の具、裏側は木のパネル
右:清川漠《飛雨》2020年 400×1450×43mm アクリル板、アクリル絵の具、裏側は木のパネル

 

2020年は他に、12月でいくつか展示の機会があるそうです。
今後の活動に注目していきたいと思います。

概要

清川漠
SICF21

会場:スパイラルホール(スパイラル3F)
会期:
A日程:2020年9月19日(土)13:00-19:00・9月20日(日)11:00-19:00
B日程:2020年9月21日(月・祝)13:00-19:00・9月22日(火・祝)11:00-19:00