岡﨑乾二郎「A Decade or So Ago・As Tears Go By」
岡﨑乾二郎さんの個展「A Decade or So Ago・As Tears Go By」にお伺いしました。
本展は、2010年までに制作された作品の中から岡﨑乾二郎さんが特別な意味を感じ、大切に保存してきた作品群が10数年ぶりに展示される貴重な機会です。
10年という区切りを付けることによって、これからの10年への眼差しを誘うような展覧会です。


本展はラージペインティング、彫刻、タイル、ゼロ・サムネイルの各シリーズ作品が展示されていますが、これまで「作家蔵」とされてきた作品が披露されています。
「良い作品は作家の手元に置く」という岡﨑さんのスタイルからしてみれば、コレクターにとってはコレクションの好機となる展示でもあるでしょう。

ラージペインティングシリーズ作品、通常はボードにキャンバスが貼られていますが、本作品は木枠にキャンバスという支持体です。今から10年以上前の作品とは思えない、綺麗な絵具の色が印象的です。参考までに岡﨑さんが使う絵具は海外製のものを独自に調合して使用しているのだそうです。







右:岡﨑乾二郎《軟膏に気づかず(万一に備え)》2005, アクリル、カンヴァス

ゼロ・サムネイルシリーズ
ご存じゼロ・サムネイルシリーズの作品も何点か出品されていました。













現在、私たちが置かれている困難な状況の意味を改めて考え直す、という趣旨で開催された個展でした。
10数年前の岡﨑さんの作品や最新作を通して、回顧から展望へ思考を巡らせるような企画でしたが、過去作でも新作でも、普遍的である存在について思考が行き交う鑑賞体験がありました。
概要
岡﨑乾二郎
A Decade or So Ago・As Tears Go By
会場:Takuro Someya Contemporary Art
会期:2020年8月4日(火)~8月29日(土)※夏季休廊:8月9日〜17日
休廊:日曜・月曜・祝日
時間:12:00 – 18:00 ※短縮営業
備考:事前予約制 ※前日18:00までに連絡
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