Sense Island -感覚の島- 暗闇の美術島
東京湾にある唯一の自然島「猿島」。横須賀市の管轄で、日中はバーベキューや海水浴ができますが、夜間は立ち入りが禁じられている無人島です。
ここで作品などを展示し、あえて夜間に鑑賞するアートイベントが「Sense Island -感覚の島- 暗闇の美術島」です。
横須賀の三笠桟橋からフェリーで15分ほどなのに、夜の島は、静謐な空気に包まれています。

photo by Naomi Circus (c)Sense Island 2019
まず、目に飛び込んでくるのは、砂浜にある「prism」(博展)。色とりどりの光のラインが動き、交叉したり、離れたりする「光のアート」です。海の向こうに見える、横須賀の街の夜景と連なるような感覚がありました。

photo by Naomi Circus (c)Sense Island 2019
坂を上がり、いくつかの作品を観ていくと、途中で係の方に止められます。ここで、スマートフォンを封筒に入れるように言われ、グループごとに小さな懐中電灯を手渡されます。
猿島の名所でもある、内面がレンガ造りのトンネルを進みます。ここには、地面に小さな灯りが置かれています。

photo by Naomi Circus (c)Sense Island 2019
「磐座」(佐野文彦)は、高台にある石の作品。光を当てると光る塗料を使っています。懐中電灯で石をなぞると、ぶわあっと緑色に光ります。

photo by Naomi Circus (c)Sense Island 2019

photo by Naomi Circus (c)Sense Island 2019
「遊具の透視法」(鈴木康広)。回転ジャングルジムを回すと、映像が映し出されます。真っ暗な中に子どもの声がかすかに聞こえ、懐かしくも不思議な作品です。
このほか、真っ暗な空間に入り、行き止まりまで歩いていく作品や、台風で折れた木などを使った作品、地面に聴診器を当てて地球の音を聴くプロジェクトなどもありました。
ライトアップではなく、あえてライトダウン。暗闇を実感しながら、感覚を研ぎ澄まして、作品を楽しむイベントです。足元が見えず、おそるおそる島を歩いていると、夜とは、本来これだけ心もとないものだと実感させられます。暗闇の中にある作品は、日中よりもじんわりと体や心に染み入るように感じたのは、気のせいでしょうか。