2019 Kaikai Kiki Summer Show
カイカイキキギャラリー所属アーティストによるグループ展「2019 Kaikai Kiki Summer Show」にお伺いしました。会場はもちろんKaikai Kiki Galleryです。
伺ったのが初日のオープニングパーティー。沢山のコレクターに作家さんも交えて賑やかな雰囲気でした。
青島千穂
デヴュー時にはAdobeのIllustratorを駆使したクロモジェニック、プリントアウト作品が主流だったが、その後、デジタルアニメーション、彫刻作品を経て直筆の作品へと移行してきた。最近では陶作品が中心。
上田勇児
1975年滋賀県生まれ。焼き物の名地・信楽のお茶農家に育ち、現在は滋賀県信楽の上朝宮に住居と仕事場を構え活動を行う。様々な焼きの実験を重ね、長石を塊のまま使用したり、粘土を表面に被せ穴窯で焼成したりするなど独自の手法を開発。通常の陶芸では失敗とされるような、亀裂やひび割れ、壊れなども、土そのものの作り出す美しさとして作品に取り込んでいる。
大谷工作室
1980年滋賀県生まれ。
2005年より屋号として「大谷工作室」を掲げ、滋賀県信楽を拠点に陶、木、鉄など様々な素材による器、オブジェを制作している。荒目の土の表情を生かしながら焼き締められた作品は外見のかわいらしさとともに彫刻として独特の存在感を放つ。
2015、2016年にはロサンジェルスとニューヨークBlum&Poeで開催された村上隆キュレーションによる陶芸のグループ展に参加。カイカイキキギャラリーで2016年に開催した個展「僕が17歳の時、ジャコメッティの話を美術の先生に聞いて、彫刻に憧れて、僕は今、彫刻を作ってます」では陶芸と彫刻の関係性を問う作品が発表された
ob
1992年生まれ。日本のSNS世代のアーティストが2010年、一気に吹き出した現象があった。その中の最重要アーティストがobである。大学生当時、学校の所在地、京都を中心に活動し、イラストコミュニケーションサービスpixivで同世代の作家とコンタクトし、数回のキュレーション展を制作、開催。2013年にはshu uemuraとコラボ。近年は海外のアートフェアに多数出展。
ゲームやSNSを身近に育った新世代アーティストといえるob。大きな瞳の少女をモチーフに繊細で幻想的な世界を表現する。
KYNE
ギャラリーTARGET所属のKYNEさんですが、Kaikai Kikiに初登場でした。
定番のポートレート作品ですが、珍しく手が描かれているオリジナル作品です。
くらやえみ
新宿眼科画廊でも個展を開催していたくらやえみさん。当時のプライスは、今では想像できないほど安かったというくらやえみさん。
ドローイングが多数展示されていました。
groovisions
groovisions(グルーヴィジョンズ)は、グラフィック、ムービー、プロダクトなど様々なデザインを行うデザイン集団です。
James Jean
プラダとのコラボでも有名なジェームス・ジーン。本作の価格を聞いてびっくり、なんと30万ドル!いまだに聞き間違いでは・・・と思うようなプライスでした。
タカノ綾
最近ぐんぐんと評価を上げているタカノ綾さん。比例して価格もビックリするプライスです。
TENGAone
TENGAone(1977年生まれ)は、東京を拠点に活動するストリートアーティスト。 アーティスト名は「画が天職(天画)」から。
米軍基地のそばで、駐在する兵士が日本に持ち込んだ母国のアートムーヴメントである、タギングやスローアップ等のアメリカンスタイルのグラフィティを身近に見ながら育つ。
街中のグラフィティ、商業および公共施設の巨大ミューラル、スカルプチャー、グラフィックデザインなど、制作のジャンルは多岐に渡り、ギャラリーやアートフェアでもその作品を目にすることができる。
FUTURA
1970年代より活動を続けるグラフィティ界のレジェンドアーティスト、Futura(フューチュラ)による立体作品。キラキラしていて格好良かったです。
Ben Edmunds
ベン・エドマンズは、1994年に英国のノリッチで生まれ、現在はロンドンに生活と活動の拠点を置く。
2016年にウィンブルドン・カレッジ・オブ・アートでファイン・アート・ペインティングの学士号を取得し、2018年にロイヤル・カレッジ・オブ・アートでペインティングの修士号を取得。
2018年度ハイン絵画賞 (Hine Painting Prize)受賞。 タジャーナ・ピータース(Tatjana Pieters)やガレリア・パトリツィア・アルモチダ(Galeria Patricia Armocida)、モール・ギャラリーズ(Mall Galleries London)やリッツート・ギャラリー(Rizzuto Gallery)が主催する展覧会をはじめ、ロンドンやミラノ、ベルギー、香港やニューヨークを舞台とする数々の展覧会やアートフェアに出展。
24歳の若手作家。かなり大きな作品でしたが、比較的抑えられた価格でした。
MADSAKI
1974年に大阪に生まれ。米国Parsons School of Design、ファイン・アーツ科卒。
幼少時に人種の坩堝ニューヨークへ移住したMADSAKIは、大学卒業後に国際的アーティスト集団Barnstormersのメンバーとしての活動を経て、東京とニューヨークを拠点にしてきました。細密なドローイングから巨大なインスタレーションまで幅広く手掛け、近年は挑発的な言葉を用いた作品や、歴史上の名画を引用した作品などを制作し、芸術の意味や作品の価値についてアイロニカルな視点で問いかけています。
村上隆
村上隆さん、Mr.、MADSAKI3人によるコラボ作品。本展での大注目作品でした。
Virgil Abloh
ヴァージル・アブローは、1980年イリノイ州ロックフォード生まれ。
アーティスト、建築家、技師、クリエイティブ・ディレクター、デザイナーの顔を持つ。
ウィスコンシン大学マディソン校で土木工学の学位を取得した後、イリノイ工科大学で建築学の修士号を取得。
その際に、設計(デザイン)の原理だけでなく、共同で作業を進めるというコンセプトも学んだ。
またイリノイ工科大学では、ミース・ファン・デル・ローエが考案したカリキュラムをローエが設計したキャンパスで履修するという経験も得ている。
会場内ではスパークリングワインなども振る舞われておりましたが、作品に魅了された知人コレクターが、アルコールの勢いで緩まっている財布の紐と一生懸命に格闘している姿が印象的でした。
オープニングの雰囲気は独特な空気がありますので、慎重な判断が求められます。心して臨みましょう。
カイカイキキさんの慣習ですが、プライスリストを抱えるスタッフさんをつかまえて、興味のある作品ごとに価格を確認するシステムです。バーゼルなどのアートフェアでも東京のギャラリーでも同じように対応しています。敷居の高いギャラリーはプライスの確認も一苦労です。若い女性の知人はなかなか教えてくれなかった・・・、という愚痴をこぼしていました。
カイカイキキギャラリーのポテンシャルを感じる素敵なグループ展でした。
概要
2019 Kaikai Kiki Summer Show
会場:Kaikai Kiki Gallery
出展作家:青島千穂、上田勇児、大谷工作室、ob、KYNE、くらやえみ、groovisions、James Jean、タカノ綾、TENGAone、FUTURA、Ben Edmunds、MADSAKI、Mr.、村上隆、Virgil Abloh
2019年7月16日〜7月27日
開廊時間 :11:00〜19:00
※初日のみ18:00〜。会期中無休
レセプション:2019年7月16日(火)18:00〜20:00