小林正人「画家とモデル」
小林正人さんの3年ぶり個展「画家とモデル」にお伺いしました。会場は六本木のギャラリー「シュウゴアーツ」です。
直近で出版された書籍「この星の絵の具」を読んで、小林正人さんへの興味が高まっているタイミングということもあり、非常に楽しみにしておりました。
入り口を入ると正面に展示されているのが大作《この星のモデル》。
横たわったヌードモデルの背中に銃弾が撃ち込まれているさまを描いた作品です。
制作中のアトリエで、無防備な状態にいるモデルを想像してしまいます。
背中か銃弾を放ったのは誰か?発砲した理由は?
鑑賞者はそのシチュエーションをイメージしながら、眼前に存在する作品の意味を想像してしまいます。
作品には使い古された絵の具まみれの布がいくつも置かれていました。
布の数々は、使われたティッシュペーパーを連想してしまいました・・・。
ギャラリーの後室に進むと、もうひとつの大作 《画家の肖像》がそびえ立つような圧で展示されています。
タイトルの通り、筆を咥えているのは小林正人さんご本人でしょう。
スラリとした体躯は正人さんご本人のごとく、ギャラリー全体を手中に収めるような存在感です。
世界を「この星」という呼び名で表している小林正人さん。
ギャラリーの空間には、キラリと光る星のような作品がビビッドな色彩表現で展示されています。
下写真の作品は、使い古しの紙にマーカーで描かれた作品シリーズです。
モチーフとして小林正人さんご自身を馬に置き換えて、モデルも一緒に描かれた作品です。
鉛筆画の小作品も展示されていました。
3連の作品で、いずれも初日に売約されていました。
定番となっているポートレートのシリーズも引き続き制作を続けている事が分かります。
オープニングトーク
大城カズさんを迎えたオープニングのトークセッションでは、「空間とフレーム」を中心として興味深い話しを聞くことが出来ました。
小林正人さんの直感的で人間の持つ根源的なエネルギーを含む言葉は、既成概念やルールで縛られている筆者のような一般人には、たくさんの示唆を与えてくれました。
オープニングトークで語られた話しの内容はどこかでまとめたいと思います。
同フロアのギャラリー「小山登美夫ギャラリー」の小山さんがニコニコしながらオープニングの様子を見に、何度も往復しているのがとても印象的でした。
小林正人さんの剥き出しの才能に触れることが出来、満足度の高い1日になりました。
概要
⼩林正⼈「画家とモデル」
2019年 6⽉1⽇(⼟)〜 7⽉6⽇(⼟)
会場:シュウゴアーツ
時間:11:00〜19:00(⽇⽉祝休廊)
オープニングパーティー:6⽉1⽇(⼟) 17時〜
オープニングトーク:⼩林正⼈ × ⼤城カズ
6⽉1⽇(⼟)15時〜シュウゴアーツにて(⼊場無料)