木彫作家「木学/XYLOLOGY-起源と起点-」
「なぜいま木を彫るのか?」「木彫はどこに向かうのか?」をテーマに「木」という素材を共通項とした15名の作家による展覧会「木学/XYLOLOGY-起源と起点-」に伺いました。
本展は平成30年度台東区芸術文化支援制度対象企画のひとつで、タイトルの通り木彫文化の継承と更新を目指した企画です。
会場は近代木彫の名手として活躍した日本の彫刻家「平櫛田中」の邸宅で開催されるという素晴らしいロケーションです。
1階フロア
作品は2階建ての家屋内いたる場所に展示されていました。
2階フロア
階段を上がって2階に行きます。個々でも沢山の作品が展示されていました。
1階に比べて日当たりが良く、自然光に映えた作品がホワイトキューブとは違った質感を演出していました。
アート雑誌の表紙にも採用された注目度の高い作品です。
B-BOYはワタリウム美術館よりこちらの方が映えますね。TAKU OBATAさんの作品。
金巻芳俊さんの制作風景を動画で撮影させて頂きました。完成作を見たいですね。
なお、本展は台東区からの助成に加え、クラウドファンディング経由での支援も募集されています。
入場料が無料の企画なので、何らかの支援をして木彫文化の発展を願うばかりです。
まとめ
大学や画廊の垣根を越えた15名の作家による木彫作家による本気の展覧会。
作品販売が無いという企画だからこそ実現出来たのでしょうか、地位のある著名な作家さんが横断的に集まる企画が成立できたことに拍手を送りたいと思います。
また、日本家屋での展示空間が素晴らしく、木の香りや畳を踏みながら回遊するの鑑賞体験は貴重なものとして刻まれました。靴を脱ぎ畳の上に座りながら鑑賞出来ることは、なんと心地良いことでしょう。日の光が差し込む和の空間は素晴らしい演出でした。
それぞれの作家さんたちの作品も気合いの入ったそれぞれの代表作として相応しいものでした。木彫の解釈が様々あり、沢山の可能性を感じるものだったと思います。持ち味が結集して、まとまりの良い完成度の高い合同展として機能していたと思います。
残念だったのは、作品購入出来ない点です。何かお金を使うシーンを作り、制作活動を支援する取組があって良いと思いました。※金額自由の募金箱のようなものがあれば、少なからず反応はあったのではないでしょうか。
次回の展覧会にも期待したいと思います。
持続的に運営できる形になるように、できる限りの応援をしたいと思っています。
ありがとうございました。
概要
「木学/XYLOLOGY-起源と起点-」
日 時:10月27日(土曜)から11月11日(日曜)13時から18時(会期中無休)
会 場:旧平櫛田中邸アトリエ(台東区上野桜木2丁目26番3号)
入場料:無料
参加作家:小畑多丘、金巻芳俊、北彩子、小鉢公史、佐々木誠、白尾可奈子、TENGAone、中里勇太、中村恒克、永島信也、ねがみくみこ、灰原愛、HAROSHI、前原冬樹、村田勇気