スクリプカリウ落合安奈「明滅する輪郭」
藝大の油画を首席で卒業されたエリート作家「スクリプカリウ落合安奈」さん。 変わったお名前は日本とルーマニアのハーフなのだそうです。
出品作はいずれもモノクロのスチール写真ですが、人物の顔には顔のサイズだけ切り取られたビニールが縫い付けられていて明確に顔を判別することが出来ません。呼吸を可視化したギミックです。
出品作について〜日本とルーマニア、2つの祖国で収集した名も知らぬ人々の写真。 縫い付けられたビニール袋によって可視化された「呼吸」は、自己と他者を行き交う成分を表す。 遠くに生きる顔も知らない人、既に亡くなった人物、憎い人、愛しい相手、その一部だった成分が、今の一呼吸によってあなたの一部になる可能性は0%ではない。 三輪車で遊ぶ少年、花嫁、母子、父親、生きる時代も土地も民族も異なる人々に垣間見える、ある種の共通するものが浮かび上がる。
時が経ち、ビニールが朽ちると、写真には縫い跡の点線が残る
スクリプカリウ落合安奈
他人の写真でも、顔部分を視覚的にファジーにする事で自分ごととして感じる余地を残しているようです。
バンビナート・ギャラリーは裏に人の気配を感じるのですが、いつも無人のギャラリーなんですよね。静かなギャラリーの雰囲気と作品の感じがとてもマッチしていてゆったりと鑑賞することが出来ました。
作品の販売価格も3万円台〜とお安くて入手しやすいお手軽価格です。欲しい作品があったのですが、残念ながら赤丸シールの売約済みでした。
最近はインスタレーションを中心に作品制作を続けていらっしゃるようですが、藝大油画科の主席と言うことですから、ドローイングやペインティングの作品も見てみたいなぁと感じました。
概要
スクリプカリウ落合安奈「明滅する輪郭」
会期 2018年8月25日~9月9日
会場 Bambinart Gallery
住所 東京都千代田区外神田6-11-14-B107(3331 Arts Chiyoda内)
電話 03-6240-1973
開館時間 12:00~19:00
休館日 月曜日、火曜日
観覧料 無料