西川茂「UNDER CONSTRUCTION OR DESTRUCTION」
西川茂(Shigeru Nishikawa)さんの個展に伺ってきました。会場はアーツ千代田3331の2階フロアにある「Gallery OUT of PLACE」です。
伺ったのは史上最速の梅雨明けから間もない2018年7月1日、真夏の暑さに襲われながら滑り込み。会期の最終日というギリギリタイミングでした。会場には作家さんご本人がいらっしゃって、お話を伺うことが出来ました。
西川はこの数年、街や都市に忽然と出現する建築中(あるいは解体中)のシートに覆われた建物を、独特の筆致と色使いで描いてきました。
今回は、香港や東京の今まさに更新されようとする「進行形の都市風景」に対峙しています。西川の精緻な観察眼を元に描かれた、濃密な油彩の時空間に是非ご注目ください。——————————————
Artist statement
今取り組んでいるのは建築中の建物群による都市の様相と、都市のランドマークになりうる建物の建築現場だ。
特に昨年取材した香港の建築中の高層ビル群はその構造と色が、街の活気と共に強く印象に残っている。また、2020 年に向けて急ピッチで生まれ変わろうとしている東京にも興味は尽きない。
元々そこにあった何かが壊され新たに別の何かが作られていく。それを更新し続けていく事で拡がる都市。ビル群の垂直方向の更新が都市を水平方向にも押し広げて行く。
私のカンヴァス上での表現活動がこの変容し続ける世界と人間の営みをも内包する事になればと考えている。
文:西川茂
熱暑の外気から遮断されたギャラリーは、建築中(或いは解体中)のシートに覆われた建物を独特の技法で描いております。モチーフに採用される建物は渋谷ヒカリエのビルのような巨大建造物から、街中の戸建てやアパートなど様々。
筆を使って丁寧に塗られた背景と、ペインティングナイフで造られた建物と、それぞれがバランス良くキャンバスに収まっています。
DMにも採用されたツインタワーの作品は存在感の強い作品でした。
左の建物は渋谷ヒカリエ、右は香港の高層ビルとのお話しでした。
会場の裏側、事務所エリアの中にも所狭しと展示されていました。
作品のタッチがとても繊細かつワイルドで、巧みな技術と感性に圧倒されました。
気に入った作品が巨大すぎて、庶民の家にはなかなかハードルが高いサイズ感だけが残念でした。今後も要チェックです。
概要
西川茂『under construction or destruction』
展示期間 2018年6月1日(金)- 2018年7月1日(日)
開廊時間 12:00 – 19:00(木 – 日曜日)
休廊日 月・火・水曜日 休廊
レセプション 6月2日(土)18:00 – 20:00
※18:30頃より作家によるトークがあります。入場無料