コレクターズウィーク
アートコンプレックスセンター主催にてアートコレクターによるコレクション展、「コレクターズウィーク」が開催されました。
3名のコレクター(佐々真・小泉清・関一彦)とアートコンプレックスセンター館長(式田譲)が取り扱う作品のコレクションです。
小泉清
コレクターの小泉清氏はコレクター界では大御所の方のようでして、私もギャラリーの芳名帳で良くお見かけいたしておりました。今回は約20年ぶりほどのタイミングというコトで貴重なコレクション展となりました。
運良く在廊されているタイミングにあたり、色々とお話しさせていただきました。コレクション展は約1000点にも及ぶそうですが、基本的には裸婦、抽象画しか集めていないそうです。
小林と流木との出会い。荒井にはメルトダウンとの出会いとか感じられる。諏訪の部分的に溶ける様な表現は何との出会いか。島崎の流れ落ちる金は何への思いか。そい言った事を思い選択した13点。最終日に来られる人にはどんな思いを届けられるか。
— 小泉 清 (@ramgallery) March 4, 2018
画廊巡りは関東圏内に留まるようですが、写真作品なども購入されているようです。海外の方の作品もお持ちのようでした。
古沢の作品は水中の死体ですが、滞欧後の帰国展に出した作品で多分滞欧中そう言った作品(水中死体)を見て戦中派の古沢は死体ってこんなもんじゃあないと言う思いで描いたのではと思います。池田の作品は米国でポルノ解禁になった雑誌にインパクトを受けて制作したフロッタージュ水彩です。
— 小泉 清 (@ramgallery) March 4, 2018
作品は絞って大型の作品が中心のラインアップ。どれもこれも圧倒的な存在感で、強烈な呼吸を感じる作品です。
筆者は特に「小野隆生」さんの作品。イタリアに在住され絵画修復のお仕事をするほどの腕を持つ作家さんで、1980年代前半の作品。強烈な圧を感じる作品でした。
加山の裸婦は良いモデルとの出会いがあったと思います。小野の少女は西欧古画との出会い、会田は芸大時まだ上野界隈に居た手足の欠けた戦傷者との出会いがあると思います。龍口の漫画やアニメとの出会い、關の意味深な指の形から伺える出会い、石原の萬鉄五郎との出会い、奥村と南画との出会い。
— 小泉 清 (@ramgallery) March 4, 2018
写真には撮影できませんでしたが、話が盛り上がり鞄の中に入っていた「肉筆春画作品」も拝見することが出来ました。
ACT コレクター展で時間限定閲覧の春画は冊子形式の絹本肉筆で12項で12ヶ月を表し着物などから季節の変化が分かる。日本は四季があり毎月違う花が咲くと言った事や軸と言う架替前提の絵画形式から日本画では12ヶ月描き分けが伝統と言えるがこの伝統は他の技法でも引き継いで貰いたい。
春画の扉絵 pic.twitter.com/qtW0EROJvL— 小泉 清 (@ramgallery) March 4, 2018
12枚がセットになったもので、季節を表現している点や嫁入り道具の1つとして機能したことなど、面白いお話を聞くことが出来ました。
「嫁入り道具!?」とは意味が分かりませんでしたが、良く伺うとなるほど!と合点がいきました。春画を見て、営みの参考にされていたのですね。
まとめ
なんと、会期中に2回も足を運んでしまいました。今回アートコンプレックスセンターで行われていた個人コレクターの中では最も少数ながら、内容の濃いコレクション展と言った印象になりました。
2回ともに小泉 清氏ご本人とお話出来て、コレクターとしてのあるべき姿などを想像してしまいました。
他の作品も見てみたい!とお願いしておきましたが、次回のコレクション展はいつ開催されることでしょうか・・・。
概要
タイトル:小泉 清 コレクション
会場:アートコンプレックスセンター「ACT1」
※アートコンプレックスセンター主催「ACTコレクターズウィーク」
会期:2018/2/27(tue)-3/4(sun)
11:00-20:00(最終日は17:00まで)
●ACT1 小泉 清 コレクション
出品作家:古沢岩美/加山又造/小野隆生/荒井 良/会田 誠/諏訪 敦/龍口経太/關 加奈子/石原七生/島崎良平/奥村彰一/and more.