梅津庸一「ニュー・ロマンサー」
ワタリウム美術館での個展「ポリネーター」を終えたばかりの梅津庸一さん。
本展は「ポリネーター」会期後に行われた新作ドローイングのみで構成された展覧会です。
本展は、予定していた展覧会、「バリー・マッギーが選んだカリフォルニアの作家によるグループ展」において、シッピングの遅れにより延期を余儀なくされたなか、急遽開催されました。梅津さんはなんと3日間で20点のドローイングを仕上げ、開催にこぎ着けました。
梅津庸一さんコメント〜「ぼくは制作において明確に美術史を意識し参照することが多かった。コロナ禍以降はもっと即物的に、フィジカルに作品と向き合うようになった。最近、テキストを書く仕事をほとんどしていない。しかしそれはたんに素朴な意味でのものづくりに回帰したわけではない。また、形式としての絵画でも情報としての絵画でもない。以前、ぼくはドローイングの仕事を「絵画の私有地化」だと言った記憶があるがそれは間違いだったかもしれない。ドローイングはうまくいけば理論的な構造と詩のような空間を同時に持ち得る。今回の作品たちはここ数日間のぼくの詳細なレポートでもあるが、まるで永遠でもあるように思う」
(ワタリウム美術館の事務所でドローイングをすることに。かつてナム・ジュン・パイクや島袋道浩もここで描いたらしい。伝統を感じる(^-^)) pic.twitter.com/SzQbKFNHn4
— パープルーム|(梅津庸一) (@parplume) January 17, 2022
短期間で生まれた作品とは思えぬ20点のドローイング作品でした。
梅津さんのドローイングは、近くで見ると情報量が多く、細かいディテールがふんだんに詰め込まれている一方で、離れた視点で見ると別の見え方が発見出来てとても味わい深い作品です。
ここの所は陶芸にのめり込んでいる様子が伝わってきますが、絵画作品の良さを改めて感じた展覧会でした。
概要
梅津庸一個展
「ニュー・ロマンサー」
会場:ライトシード・ギャラリー(オン・サンデーズ)
会期:2022年1月22日(土)〜 2月6日(日)
時間:11:00~20:00
休み:無休