【個展】水墨画を参照する油彩〜クリス・ヒュン・シンカン「陽の当たる日常」@OTA FINE ARTS

クリス・ヒュン・シンカン「陽の当たる日常」

六本木のギャラリー「OTA FINE ARTS」で開催されていたクリス・ヒュン・シンカンの個展にお伺いしてきました。

クリス・ヒュン・シンカン「陽の当たる日常」

クリス・ヒュン・シンカンは香港出身の作家で1991年生まれの20代若手作家。日本での個展は今回が初めてとなります。

展示風景

西洋画と水墨画を大学で学んだクリス・ヒュン・シンカンは、水墨画の影響を受けたような筆使いが特徴的です。
テンビン油を使って油絵の具の粘度を抑え、水墨画のようなタッチで描かれた作品です。

クリス・ヒュン・シンカン《Doodood, Balltsz, MuiMui and Joel 》 2018年 油彩、キャンバス 200x320cm

また、自分や家族の身の回りにある風景を描いたモチーフで、全ての作品に犬が描かれています。

クリス・ヒュン・シンカン 左:《Doodood》2018年 右:《Balltsz and Joel》2018年

作品の中には明度の異なるような表現にも気づきますが、時間や記憶の移ろいを色彩で表現しているそうです。

クリス・ヒュン・シンカン《MuiMui and Haze》2018年 油彩、キャンバス 200x240cm

作品は大作5点のみ。全て完売している状態でした。

クリス・ヒュン・シンカン《Balltsz, MuiMui and Doodood》2018年 油彩、キャンバス 160x200cm

ホワイトキューブのギャラリー空間に展示された優しい色彩の大型作品は、とても心地の良い鑑賞体験でした。

展示風景

油彩でありながら水彩画のような爽やかさ、モチーフから感じる優しさがあります。
上海、ロンドン、ニューヨークと世界に渡って活躍を始めた若きペインターに今後も注目したいと思います。

概要

クリス・ヒュン・シンカン
陽の当たる日常
会場 : オオタファインアーツ
期間 : 2019年1月26日(土)-2019年3月9日(土)
時間:11:00-19:00 / 日・月・祝 休廊