【最初のアートコレクション】私が最初にアート作品を購入した理由〜Ouma(オーマ)さんの作品

アート作品を初購入

理由あって、1人暮らしがはじまってしばらく経った頃、新築マンションの真っ白な壁に囲まれた無味乾燥な部屋の中で、ピクチャーレールがあることに意識が及びました。
ピクチャーレールに何かを掛けようなんてアイディアはこれっぽっちも思っていなかったのに、その夜は何故か「絵とか写真を飾ってみても良いかな・・・」って思いが及びました。

今でこそ、「アート作品はギャラリーで買える」と分かるのですが、今までアートと無縁だった私には、どこで絵を買えば良いかなんて全く分かりませんでした。何でも答えはインターネットにある、と信じる私は、いつの間にか検索窓に何かを打ち込んで、ピクチャーレールに飾る絵を探し始めたのです。
最終的にたどり着いたのは、ある作家さんがご自身で制作したネットショップサイト。作家さんのプロフィールと制作のコンセプト、作品の印象、価格、第6感などが総動員されて購入ボタンを押していました。

細胞アーティストOuma

私が購入した作品は、細胞アーティストの「Ouma」さんの作品です。
Oumaさんは日本人でありながら海外のアーティスト・イン・レジデンスを渡り歩いているアーティストで、制作拠点や作品発表の場所を転々と変えながら、積極的に活動されている女性作家さんです。もちろん以下の記事のように、東京での展覧会実機もあります。

何故細胞をテーマに活動されているのか?と言う疑問がわきますが、Oumaさんの前職は獣医さんだったそうです。獣医師の仕事の本質である「心の癒やし」を全うするため、手術や薬によらない可能性を模索しようとアート活動を開始したそうです。

アート作品購入を決意した当時の私は、心に傷を負っていた時期もあり、作品のコンセプトに共感して最初のコレクション作品としました。※後述します。

ネット通販

私が購入した当時はBASEというプラットフォームで販売されていましたが、現在のOumaさんは、ArtSticker、TAGBOATなども含めて複数の場所で販売されているようです。

Oumaさんは現在、Facebookやnoteなどで日記を書き続けていらっしゃる方で、私が購入した当時は、フィンランドの地から情報発信されていました。検索しているタイミングで作品販売を行っている告知に辿り着き、「ポチッと」購入ボタンを押していました。

購入価格は送料込みで1作品「2,500円」という、とてもお安い金額であったことも購入理由のひとつでした。

作品が入っていた封筒〜郵便受けに投函されていました。

遠い異国の地フィンランドからの発送とは言え、1週間もしないうちに到着しました。

開封

封筒を開けると、台紙代わりに使われていたのが購入年の翌年「2018年」の卓上カレンダー。ルーマニアのシギショアラと言う街の時計台が描かれているものです。ルーマニアはフィンランドの前に活動拠点とされていた場所だそうです。

その時どきで手に入ったモノを一緒に送ることがあるそうで(送らないこともある)、購入者へのプレゼントです。

同封されていたルーマニアのカレンダー

カレンダーを開いてみると、今回購入した2作品がどちらも丁寧に梱包されて入っていました。

作品は2点購入しました

作品

購入した作品のタイトルは「ゾウリムシ – 第3世代/Slipper Animalcule -3rd generation」というものです。
異国を渡り歩くoumaさんがフィンランドのトゥルクで制作し、ルーマニアのシギショアラで「治療」したゾウリムシの第三世代、と言う設定で、下記のような作品説明が書かれてありました。

作品の不出来なパーツを病変部として切除し、移植するように活きている別のパーツと縫い合わせた作品です。不定形に変化する形状をお楽しみください。

上記の説明にあるように、複数の作品を縫い合わせたものが今回購入した作品です。

受け取ってみると作品の精巧な作りに驚きました。
実物を良く見ると、販売ページの写真では見えなかった細い透明の釣り糸のようなものを使って作品同士を縫い合わせているのです。
後にメッセージでご本人に聞いたところによりますと、手術糸に見せかけたテグスを使っているとのこと。まさに本格的な「治療」なんですね、リアルで細かい技が光ります。針穴も丁寧に開けてから糸を通しているような形跡もありました。

ゾウリムシ – 第3世代/Slipper Animalcule -3rd generation #02 151×111mm pen and acrylic with strings on paper, 2017

ゾウリムシ – 第3世代/Slipper Animalcule -3rd generation #03 163×114mm pen and acrylic with strings on paper, 2017

下の写真にあるように、裏側を見ると細い縫い糸が張り巡らされていることに気がつきます。

作品を裏から撮影

購入して気がついた5つのこと

実際購入したことで、実際に気がついたことを整理してみました。

(1)部屋がパッと変化する

実際部屋の中に飾ってみると、これまで何も無かった壁面が一気に彩られた感じです。
部屋の中に目がとまるポイントが出来たので、全体的に締まった印象ですし、空間の中でぱっと目がとまるポイントが出来てアクセントになり、なんだか居心地が良くなった感じがしました。
また、作品に目を注ぐ中で、自分の想像力が外部と繋がっている感覚もあって、自分の

(2)意外に安く手に入る

アート作品の値段はピンからキリまで。バブル期のゴッホ「ひまわり」や最近の「バスキア」が123億だったりなど、上を見れば著名な作品が高値でゴロゴロ流通されているようですが、今回の作品は海外からの送料を含めて1作品2500円という価格設定。額縁の値段は含まれていないので、金額的にはもう少し上がっていくのですが、こんな安く買えるとは知りませんでした。※現在は値上がりしていると思います。

(3)作者から直筆のメッセージがもらえる

作品と一緒にポーランドにある時計台のポストカードが入っていました。ポストカードの裏面にはOumaさんからの直筆のメッセージが残されていました。綺麗な字でご丁寧に書かれた文章で、心が温まるメッセージを頂きました。
さらに、インターネット上での交流も生まれ、チャットを交わす関係性に広がっていきました。直接ご本人とコミュニケーションできるとは思っていなかったので、作品の感想などをお伝えすることが出来たり、感謝の言葉を送ることが出来て予想外の展開に驚いた次第です。

Oumaさんからの直筆のメッセージ

(4)額縁選びが楽しい

悩んだのが額縁(アートフレーム)選びです。作品と額の相性が悪くては作品そのものの見え方も変わってくるでしょうし、部屋の中の存在感も大きく変化していくはずです。

作品から出る存在感、空気感、オーラ、作品力などは、比較的ぱっと見た瞬間的な感覚が残っていくと思っていて、それにおいては額縁の存在感はとっても大きく影響するものだと思っていました。一目見た時のインパクトが決定的に大きく作用していくからです。

額縁には色や素材や大きさ、飾り付けなど複合的に構成要素が絡んでいくことになります。実際店頭で見るとますます混乱してきますので要注意ですね。実際に額装したのは次の写真です。

額装後の作品

額装店のスタッフとの話も楽しかったです。「ジャン デュビュッフェの作品みたいですね」とか、「フロート型にして、作品を浮かして額装しましょうか?」など、色んな話で交流が生まれました。

額装店での一コマ〜色んな額装方法についてアドバイス頂きながら決めていきました。

(5)めちゃ嬉しい

そして最後の5つ目「とってもうれしくて、Happyになる!」と言うことです。
アート作品は基本的には一点物です。世の中にたった1つしか無いという事実が「自分のために作られた作品」というように感覚になっていき、とても嬉しく感じることが出来ました。

また、アート作品を所有するという行為によって、自分自身のアイデンティティを認識出来たり、価値観を改めて確認したような気がしました。

まとめ

アート作品を最初に購入するきっかけはさまざまでしょうが、以上が最初のコレクション作品に関わるエピソードです。

芸術への理解が全く素人の私が、実際に思ったことや感じたことを文章にしてみました。個人的には予想外に買って良かったと思うことが出来て満足です。

作品が到着して自分の部屋に飾ってから、「もっとアート作品について理解を深めたい」や、「もっとアート作品を所有したい」といった、想定外の感情も生まれてきました。それから一気にアートコレクターとして、ギャラリーに訪れる機会を増やしていくことになりました・・・。

壁面には傷跡が残らないような「壁美人」という商品で設置しました。

皆さんもアートコレクション、してみませんか?

概要

Ouma

公式サイト:http://oumavet.com/
作品販売ページ:https://oumavet.com/goods.php