Meet the Collection ―アートと人と、美術館
30周年記念展となる横浜美術館のコレクション展「Meet the Collection ―アートと人と、美術館」にお伺いしました。
会場入り口のオープンスペースに展示された淺井裕介さんと子供たちなどで制作された作品が出迎えてくれます。
本記念展はゲストアーティスト4名を中心に組み立てられた展覧会構成になりました。
以下、4名の作品を中心に展覧会の模様を振り返りたいと思います。
束芋
横浜美術館20周年のタイミングに大規模個展を開催した束芋さん。
本展でも得意の映像インスタレーションで楽しませてくれました。
映像作品《あいたいせいじょせい》は、束芋さんが初めて新聞連載小説の挿絵を担当した吉田修一の新聞連続小説『惡人』と近松門左衛門作『曽根崎心中』を掛け合わせた映像インスタレーションです。
『惡人』登場人物のひとり、金子美保の部屋に『曽根崎心中』のお初と徳兵衛が表現されています。投射されるスクリーンには現実の椅子も重なり合って束芋さんの不可思議な世界観を作り出していました。
その他、束芋さんの映像作品と関連した展示も含み、女性を描いた作品が多かった印象です。
淺井裕介
本展で最も注目を集めた作家は淺井裕介さんではないでしょうか?
共同制作されたいエントランスの作品もそうですが、わずか10日間で描かれた圧巻の大作《いのちの木》は鑑賞者の注目を最も集めていた作品になったことでしょう。
素晴らしい作品でした。淺井裕介ファンが沢山増えた展示になったのではないでしょうか。
淺井さんは精力的に活動されている作家さんです。小さなドローイングも特徴の一つです。今なら作品も求めやすい価格で購入することが出来るはずです。
今津景
今津景さんの油彩作品も大きくて存在感を放っていました。
今津景さんを中心にした展示コーナーのテーマは「シュルレアリスム」です。
こちらの大型作品、本展がきっかけで販売された模様です。どんなコレクターが購入したのか興味深いですね。
菅木志雄
もの派の代表作家菅木志雄さんの展示も印象的でした。
その他も名作品が目白押しの展示となりました。
盛りだくさんでとても良い記念展になったと思います。
これからの10年も期待しております!
概要
Meet the Collection ―アートと人と、美術館
会場 横浜美術館
2019年4月13日(土)~6月23日(日)
開館時間 10時~18時 (入館は17時30分まで)
毎週金曜・土曜は20時まで (入館は19時30分まで)
休館日 木曜日、5月7日(火)*ただし5月2日(木・休)は開館