【個展】有田依句子(Ikuko Arita)「Forever emotional, forever」ギャラリーKingyo(根津)

有田依句子

ギャラリーKingyo(根津)で行われている造形作家、有田依句子さんの個展に行ってきました。有田さんの作品を見るのは初めてでしたが、特徴のある個性的な表情が印象的で楽しみにしていました。

基本的には「石粉粘土」を作って形を作り、着色していくという制作過程です。

「Forever emotional, forever」

根津駅から7〜8分の場所にあるギャラリーKingyoには作家さんご本人も在廊されていて、色々なお話しを聞くことが出来ました。入口を入ると手前に小柄な「カナリア」が出迎えてくれます。ご主人様をお迎えするような下から目線で愛くるしい表情がこちらに視線を送ってくれているようです。

カナリア

しかしすぐ目線を前に戻すと、颯爽と風を切って登場するがごとく立ちはだかるチェーンソーの女の子が現れます。爽やかな表情にチェーンソーのミスマッチ感がシュールですね。

多摩川・チェーンソー

どの作品にも通じるのですが、丁寧に作り込まれた造作ときちんと彩色されたお仕事が細部に渡っているのが印象的でした。仕事キッチリ感が好印象ですね。

その奥には赤い靴を複雑な表情と間合いで見つめる女子。映画「赤い靴」をモチーフに作られた作品とのお話しでした。

The Red Shoes

中央のステージのような白台の上にポーズを決めるユニットは最大の大きさを誇る「Forever emotional, forever」。金屏風のように映る背景も含めて、煌びやかにクールで格好良いフィギュアのようです。ジャコメッティの細長い彫刻を思い出すほどすらっとスタイルが良く、まさにエモい!

ギター少年のTシャツ背中にはツアー日程がプリントされていて妙にリアルでした・・・。

Forever emotional, forever

引きで見てもやっぱり存在感があって、全体をピシッと締めてくれるようです。

カナリアを背負った少年もいました。

君はカナリア

なんとも複雑な表情の赤ちゃん(?)は作家のお母さんに抱かれる写真も展示されていました。お孫さんを抱っこできてご満悦でしょうか・・・。

アザナエル

花を取り入れた3組の母と子。無表情の奥にある感情を探してしまいますが、角度によって表情が違うようにも見えます。

フリージアとバロン、オニユリとラック、ホウセンカとテリーの3作品

どこかで見たことのあるような気もする「猫犬」。鬼太郎のような寄り添うメンズが味のある存在。

The Return of 猫犬

会場に置かれた過去作品のファイルには、おかしくて笑みがこぼれるような作品がたくさん詰まっています。ギャラリーの作品は大型作品が中心ですが、以前の作品は小作品中心だったようです。

 

我が家にお迎えしたい作品が沢山あって悩みました。

 

まとめ

作品はどれも、一目見れば有田さんの作品と分かる作品です。表情の特徴的な作り方に目を奪われがちですが、石膏粘土を使った作品の造形としての完成度も素晴らしく、ギャラリーまで足を運んだ甲斐がありました。直接見られて楽しかったです。

ドローイングの作品もあるようですし、今回のような立体作品の可能性も色々ありそうです。これからの注目作家さんですね!

概要

有田 依句子 個展
-Forever emotional, forever-

会場:ギャラリーKingyo
2017年11月21日 (火) – 11月26日 (日)
12:00〜17:00(最終日17:00まで)