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【フォトレポート】森美術館「ロン・ミュエク」展 ― 18年ぶりの日本個展

アーティストとして活動を開始してから約30年の間に生み出した作品の数は、わずか49点。数カ月〜数年かけて一体を彫る寡作の作家、ロン・ミュエク。その代表作11点(うち6点が日本初公開)が六本木に集結。日本での個展は2008年の金沢21世紀美術館以来、18年ぶりだ。会場を歩いてきた。


“東京だけ”の巡回展

パリ(2023)→ミラノ(2023–24)→ソウル(2025)と巡回してきた本展が、いよいよ東京へ。森美術館とカルティエ現代美術財団の共催で、日本は東京のみの開催だ。会期は 2026年4月29日(水)〜9月23日(水)、会期中無休

ミュエクは1958年オーストラリア生まれ、英国在住。映画・広告業界で20年以上働いたのち彫刻へ。実物よりはるかに大きく、あるいは小さく造る 「サイズの妙」 で、私たちの身体感覚と存在そのものを揺さぶってくる。


本展の核心 ―― 頭蓋骨100体の《マス》

日本初公開。巨大な頭蓋骨100体からなるインスタレーションで、会場ごとに構成を組み直すのが特徴だ。森美術館では約300㎡のサイトスペシフィックな空間に。「メメント・モリ」がこのスケールで迫る体験は、他では得がたい。


キャプション:ロン・ミュエク《マス》2016–2017年 合成ポリマー塗料、ファイバーグラス、サイズ可変 所蔵:ビクトリア国立美術館(メルボルン)、2018年フェルトン遺贈 展示風景:「ロン・ミュエク」森美術館(東京)、2026年


初期の傑作《エンジェル》(1997年)*日本初公開

翼を持つ男性がスツールで俯く出世作。ティエポロの絵画に着想を得た、“天使らしくない天使”だ。


キャプション:ロン・ミュエク《エンジェル》1997年 個人蔵 ※日本初公開 展示風景:「ロン・ミュエク」森美術館(東京)、2026年


長辺6.5mの《イン・ベッド》(2005年)

横たわる女性の頭部だけで長辺6m50cm。圧倒的なスケールと、思索に沈む親密なまなざしが同居する。


キャプション:ロン・ミュエク《イン・ベッド》2005年 ミクストメディア 162×650×395cm 所蔵:カルティエ現代美術財団 展示風景:「ロン・ミュエク」森美術館(東京)、2026年


《枝を持つ女》(2009年)*日本初公開

規格外の枝を抱えて立つ女性像。ショップにはこの枝をモチーフにした限定スティックパイも。


キャプション:ロン・ミュエク《枝を持つ女》2009年 所蔵:カルティエ現代美術財団 ※日本初公開 展示風景:「ロン・ミュエク」森美術館(東京)、2026年


まだある、見逃せない出展作

《ゴースト》(1998/2014年)

やせた少女が壁に背をあずける、高さ2m超の像。2014年に作り直されたアーティスト・プルーフ。所蔵:ヤゲオ財団コレクション(台湾)。


キャプション:ロン・ミュエク《ゴースト》1998/2014年 ミクストメディア 202×65×99cm 所蔵:ヤゲオ財団コレクション(台湾)

《チキン/マン》(2019年)

制作過程を追った同名映像もあわせて展示。所蔵:クライストチャーチ・アートギャラリー(NZ)。


キャプション:ロン・ミュエク《チキン/マン》2019年 ミクストメディア 86×140×80cm 所蔵:クライストチャーチ・アートギャラリー(ニュージーランド) 撮影:Bur@rt

《マスク II》(2002年)

眠るような巨大な顔の“仮面”。静かで生々しい存在感。


キャプション:ロン・ミュエク《マスク II》2002年 ミクストメディア 77×118×85cm 個人蔵 撮影:Bur@rt

《若いカップル》

ぜひ背面へ。男性が女性の手首をつかんでいることに気づく。作家の説明は一切ない。正面だけで通り過ぎず一周を。


キャプション:ロン・ミュエク《若いカップル》 展示風景:「ロン・ミュエク」森美術館(東京)、2026年


制作の舞台裏 ―― ゴーティエ・ドゥブロンドの写真と映像

25年以上ミュエクの現場を記録してきた写真家による写真シリーズと映像2点。英国のアトリエと創作プロセス、その“めったに見られない裏側”に触れられる。


キャプション:ゴーティエ・ドゥブロンドによる写真・映像作品 展示風景:「ロン・ミュエク」森美術館(東京)、2026年


鑑賞のポイント

  • スケールは自分の身体で測る。 隣に人を入れて撮ると狂いが伝わる。
  • 正面で満足せず一周する。 背面に物語が隠れた作品がある。
  • 肌・血管のディテールに寄る。 生命感の正体はここに。
  • 撮影OK。 SNSは十和田市現代美術館連携の 「#ミュエク巡り」 キャンペーンも実施中。

 


開催概要

展覧会名 ロン・ミュエク
会期 2026年4月29日(水)〜9月23日(水) ※会期中無休
会場 森美術館(六本木ヒルズ森タワー53階)
開館時間 10:00〜22:00 ※火曜のみ17:00まで(5/5・8/11・9/22は22:00) ※最終入館は閉館30分前 ※6〜9月の土日祝・8/8〜16は9:00開館延長あり(一部除外)
料金 [平日]一般2,300円/学生1,400円/シニア2,000円 [土日祝]一般2,500円/学生1,500円/シニア2,200円 ※中学生以下無料 ※( )内オンライン料金・日時指定券制
主催 森美術館、カルティエ現代美術財団(共催)
公式 https://www.mori.art.museum/jp/exhibitions/ronmueck/

文・写真:bur@rt press編集部

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