【個展】小野隆生展(Takao Ono)@みうらじろうギャラリー

小野隆生展

みうらじろうギャラリーにて行われている小野隆生展に伺ってきました。

「小野隆生という作家を知って欲しい」という、みうらじろうギャラリーの思いからスタートした企画です。

小野隆生は、1971年以降イタリアに在住し、制作を続ける画家。
国立ローマ中央修復研究所の絵画科を卒業。
1985年までイタリア各地の美術館所蔵絵画作品と教会の壁画の修復にも携わる。
小野の絵画は実在する人間が描かれる肖像画とは異なり、画家の感性で任意に描出された人物画といえる。それに対して帽子や靴、そして衣服だけが単一のモチーフとして描かれる奇妙な静物画に於いては人間の不在が投影された不気味な喪失感が暗示される。
今回の企画では当ギャラリーとコレクターの小泉清氏が所蔵する1970~90年代に制作された作品を中心に展示します。

小野隆生さんの作品は小泉清氏のコレクション展で知り、その圧倒的な作品の力に魅せられ、大きな興味を抱いたことが最初のきっかけでした。

 

 

12歳の婚約者(1987年)キャンバスに油性テンペラ 100.0×70.0 ※小泉氏所蔵

婚約者(1986年)キャンバスに油性テンペラ 100.0×70.0 ※ギャラリー所蔵(540万円)

ギャラリーの三浦氏も小泉さんから話しを聞いてコレクションをはじめられたそうです。

肖像図 (1991年)キャンバスに油性テンペラ 80.0×60.0 ※ギャラリー所蔵(81万円)

失くした日 IL GIORNO PERDUTO(1976年)キャンバスに油彩 43.2×24.3 (F4) 237,600円

 

誕生日に COMPLEANNO(1976年) キャンバスに油彩 27.5×22.3 (F3) 216,000

この日、最も印象的だった作品が「日付が消されたカレンダー」。カラダと洋服の線は最小限で、使っている色も少なくて一見地味な配色ですが、奥深くてなんとも言えない雰囲気が流れています。

日付が消されたカレンダー(1987年)キャンバスに油性テンペラ 80.0×60.0

とっても優しい色と丁寧な筆です。修復司としてイタリアで活躍されていた確かな実績を持つ作家さんです。

30年ほど前の作品ですが、非常にコンディションが良くて綺麗な状態でした。

画像4ー2004(2004年)紙・木炭 40×30 108,000円

素描 (1984年)紙に鉛筆 40.0×30.0 162,000円

肖像図96ー2(1996年)キャンバスにテンペラ 40.0×30.0 324,000

非常に丁寧な筆の跡を確認することが出来ました。

人物肖像図ー顔 (1983年)キャンバスに油性テンペラ 22.5×16.0 (SM) 237,600

 

深夜の透視図(1974年)画布・油彩 19.3×39.0 ※小泉氏所蔵

 

消された暗号の断片(1991〜2年)美しい国イタリア(1991) ※小泉氏所蔵

まとめ

作品数こそ少なかったですが、小野隆生氏の真骨頂である肖像画をゆっくりと拝見出来る貴重な機会となりました。

小泉氏の協力もあって実現した今回の展覧会。素晴らしい機会となりました。みうらじろうギャラリーの三浦次郎さんも絶妙な間合いで解説など話して下さり、居心地最高の時間でした。感謝!